ここんところ単行本をあまり買ってない私ですが(スミマセン…)、やはりこの人となると別です。7月には『つくみみ』の完結編も控えておりますし。

 今回は松文館・モエール・三和の3社で描かれた作品を12本収録。帯での『本物』『ガチロリ』等々のやや品のない(苦笑)アオリ通りの、年齢的に全く問題のない作品のみを収めているので、コストパフォーマンスは極めて優秀といえます。
 描き下ろし部分はあとがき以外に特になし(と思います。あったらごめんなさい(汗))。しかしながら、ゲストコメントがみなすきぽぷり&EB110SSと豪華メンバーなのもポイントかと。

 収録作品は、スポーツジムの浴場で欲情していたら実際に女の子とできてしまった『興味と妄想の相乗』、ファミレスで見知らぬ女から娘さんを預かったのでおいしくいただいた『ふぁみれすエッチ』、お嬢様の性的好奇心を満たすために少年がやられたりやったりする『なりちゃんのご学友』、友人宅で口封じのために友人の妹をあてがわれる『きょうはん』、勉強のストレス発散に全裸自慰をしていたら知り合いの男子にそれを知られて2人で…な『ストレス解消法』、男性恐怖症?な水泳少女の克服特訓に付き合う『みっしつ水泳とっくん中』、亡き先生の娘さんと秘密の写生大会『少女デッサン』、父が壊したゲーム機の弁償として父のセフレであるクラスメートとする『オヤジの彼女はクラスメート』、彼氏と別れた原因は「兄のせいでゆるくなったから」な『お兄ちゃんのせいだもん』『〜BEFORE』、公園にたたずむ中年男が少女2人に慰められる『とまった時間』、デリヘルを頼んだら(略)妙に小さい子がやってきた『デリ少女』。基本的に純愛にも陵辱にもどちらにも極端に振れず、「欲望に忠実な」作品が主になっています。

 一部作品が未レビューのため、ここで改めて単品レビューしておきます(あれー、でも何でモエマックスの08年10月号だけ買ってないんだろ…? あ〜る・こが掲載号を買わないわけはないのに)。

きょうはん
 友人宅に招かれて出会った妹さん。ところがその妹さんが学校に行ってない事を知り、先生に相談しようと言う少年に対し「前も面倒な事になったんだよ!」と止める友人。なおも態度を変えない少年に友人が「…共犯にするしかないな」と妹の身体を…。「いつもの」ように嬉々として少年の肉棒を咥えながら縞ぱんを濡らしてみせる妹さん。発射寸前で止められてそそり立ちまくる肉棒に妹さんが立位くぱぁ→騎乗位挿入で、少年はたまらず中出し。最後は友人が妹さんの後ろから貫いて二本挿しフィニッシュ。深刻なテーマを扱うかと思いきや、ほのぼのオチに持ち込んでしまったのはどうだろう。もう少しインモラルというか、文字通りの「共犯感」を呼び起こす展開でちょうど良かったのでは。まあ痛々しくないのはおかずとしては悪くはないんだけど。8点
デリ少女
 何となく興味をそそられてデリヘルに電話した男。やってきたのがとんでもないモンスターだったので即チェンジしたら、これまた即やってきたのは可愛いけど妙に小さな子で…。屈託のない笑顔でもお仕事はしっかり。お風呂で肉棒をしっかり洗った後は、バックから挿入をおねだり。ちゃっかり無制限のオプションを男に付けさせたので、1回出した後もベッドでキス→愛撫→正常位挿入→対面座位中出し。珍しくキャラクターに頼ったギャグを仕掛けてきたが、本編には特に食い込まない添え物程度。キャラの背景が穴だらけなのが気になるが(少女が自発的に「付いてきた」のでなければ展開が不自然なのにオチではそれが否定されている等々)、後腐れのなく何のデメリットもなさそうな、ある意味ファンタジー過ぎる風俗もののおかずとしてはまずまずの出来。8点

 基本的に、キャラ萌えや二次創作したくなるほどの強力なキャラ作りはなされず、かといってどこにでもいそうなキャラも少ない、という、変化球と言うよりはくせ球なキャラ作りが特色となっています。

 おかずとして見ると、さすがに描き慣れたベテランクラスだけあって非常に手堅い作り。裸体の見せ方は非常に手馴れていて、初潮直前の「少女盛り」の時期の女の子の肢体をしっかりと、かついやらしく、そして美しく描けています。
 ただ、実用面となると、ここ最近の傾向である「フィニッシュページの左右分割」をどう見るかで評価が分かれそうです。全体の半分である6作品がこの形式を採用しているのですが、定番の上下分割と比べるとフィニッシュのコマの横方向が狭い分「窮屈さ」が出てしまうのと、右3分の1に押し込まれたフィニッシュへの流れがページ綴じ部分の傾斜に紛れて把握しづらくなるというデメリットがあるんですよね(ただこれは電子書籍であれば解消するため、ある意味『時代の先を行った』描写と言えるかも(笑))。
 この独特の描写法を意に介さないのであればおかずとしてはかなりの高水準です。

 ストーリー面も、先程の「くせ球」なキャラ作りに合わせてか、バッターの手元で微妙に変化してくるような、直球ストレートとはいかない展開が特色となっています。ただストーリー自体は練りこまれたとは言えず、穴が多かったり深みがもう少し欲しかったりするので、「読ませる」タイプの話ではありません。
 かといってキャラで「萌え死なす」わけでもないので、必然的に『こんな可愛い子がいたらやってみたい』という欲望を叩き付けたい願望がある人(ただし陵辱はペケな)ほど楽しめる傾向があるように思います。逆に『身も心も深く愛し合いたい』という人には向かないかも。

 総論としては、良くも悪くも「素晴らしいおかずです」かな、と。各作品の評価も8点9点で非常に手堅くまとまっており、買って損のないレベルであることは言えます。
 ただ、(非常に高いハードルを課しているとはいえ)10点作品がないので「素晴らしいおかず」以上になってないのも事実。「究極のおかず」にも「読後にも印象を残すお話」にもなりきれてないのが現状、というのが偽らざる気持ちです。
 苦言は呈しましたが、これだけ高水準でまとめ上げるのも非凡な技量が必要ですので評価自体は5つ星としておきます。あくまで条件付きですが。

 常に現状に安住せず、手を変え品を変え技を変えて仕掛けてくるこが氏のことですから、これからもまだまだ「進化」してくることは期待できます。いい意味で「こんなものではない」作品を今後も期待します。

#どーでもいいんですけど、三和って軽い紙を使ってますね。コストとの兼ね合いもあるので悪いことではないのですが、単行本を持った時のずっしり感って「所有したぞ!」という気にさせられるちょっとした要素のような気もするのですが…私だけ?(汗)