『華陵学園初等部』に主戦場を移した山咲梅太郎さんの最新単行本が出ましたので、購入してきました。雑誌の方はパスしてますので、せめて単行本だけでも、と。

 一応『初等部』掲載作オンリーなので、年齢的にはずれはないのがありがたいところです(笑)。
 読みきり作が意外と多いので、通常形式で作品を紹介していきます。

それ何てエロゲ?
 第1話。性的にフリーダムな(苦笑)華陵学園に通う、小説家志望の少年。その文才…じゃなくて執筆速度を見込まれて、ゲーム同好会(という名のエロゲー製作部)の少女たちにスカウトされるが…? エロテキストなんか書いたことのない少年のために、レイヤーの眼鏡っ子と前作『巫女^2さいたま』のヒロインの巫女少女をモデルとして部長が用意。初体験がいきなり3Pといううらやましい展開に。とはいえ、プロローグ部分を兼ねた話のため、Hシーン自体は材料の割にかなりあっさり味。まあハメ撮りならぬハメ執筆というのは前代未聞だけど(笑)。6点
アイドル×アイドル
 第2話。主題歌兼声優として、アイドルの少女をスカウトに成功。しかし、声優としての自信のないアイドルさんのために、少年は台本読みを手伝うことに…。あまりにも生々しい声の艶技のせいでうっかり興奮してしまった少年を、台本通りに実際にふぇらしはじめるアイドルさん。そこへ、アイドルさんと同じ顔をしたというか双子の片割れのアイドルさん(交代でアイドルをやっている)が乱入して来て、結局3Pへと。双子ものならではの同時発声&同時動作を盛り込みつつ、駅弁中出し+後ろから抱きしめられプレイや、定番の上下に重ねて間をこすったりのプレイを展開。あえて過去作品の双子(後述)を使わなかったのは正解だったかも。内容が薄めなので8点評価だけど、双子好きなら+1点していいかな。
それ何てはだかんぼパラダイス?
 第3話。女子寮に潜入して取材するはめになった少年。当然女装していくも、アイドルさんとの会話で周囲にバレてしまい…。3周年記念のクロスオーバー話なので、特ににくきうー作品(『はだかんぼパラダイス』)の知識は一応はいるかも。H自体は、騎乗位で中出しさせられたり、お風呂に連れて行かれて少女の集団裸体を見せ付けられながらスクール水着の中で発射させられたり、お尻を並べた少女たちに次々種付けされられたり、と受身展開(といっても性的にいたぶられるわけではない)。女の子が寮への侵入を即許すため、侵入ものとしても女装ものとしても要素は弱く、多人数ハーレムとしては受身展開が邪魔だし、かといって性的に絞られるわけでもないし、とマイルドにしすぎて味が薄くなった印象。まあ見開きで13人同時中出しカットはかなり壮観なんだけど。7点
それ何てエロゲ? 最終話
 自分の才能を早い段階から唯一認めてくれていた部長の想いを知り、少年は告白を…。冒頭部は眼鏡っ子部員のくぱぁオンパレード。後半は処女だった部長の初体験Hを展開。キス→クンニ→素股発射→じらし愛撫→正常位挿入即発射→後背位→座位中出しといってハッピーエンド。らぶらぶH自体は使い勝手も良好で、素直じゃない少女が素直になっていく萌え要素も完備していていいんだけど(ただし、恋愛ものとしては4話に至るまでの盛り上げに欠く)、終わってみると第5話が欲しかったかな〜、と。眼鏡っ子やアイドル双子といったおいしいキャラを使い捨てにしてしまった感が強くて…。単に、3話ではないハーレムHを完成後の打ち上げで見てみたかった(汗)。8点。 
入れよーとはしてたケド
 ホレ薬を調合中の少女。そこへ最愛のお兄ちゃんがやってきて…。定番の製作中の事故ものと見せかけて、実は全くそんなことはない兄妹らぶらぶ話。雑巾がけで無意識に縞ぱんを見せられたり、傷口を指ちゅぱされたりして辛抱たまらなくなった兄が妹を抱く展開。縞ぱんを2頁かけてたっぷり愛撫し、ニーソ以外を全部脱がせて座位挿入→中出し(早っ!)。12頁だし、元々コマが大きいので内容が薄いのは仕方ないか。妹ものとしての使い勝手は上々。8点
大声を出すな
 男子寮のベッドに従妹が裸で乱入していて…。ルームメイトの少年の協力も得て(えー?)、好色従妹の身体を隅から隅まで愛撫しまくり→二本挿し中出し。今回も12頁につきストーリー面はかなり薄い。声を出せないシチュエーションという状況は悪くはないが、愛撫が徹底しすぎた分、挿入から中出しまで3頁という早さは、やはりバランスの悪さを感じてしまう。フィニッシュの構図はいいんだけどねー。6点
TWINS 〜杏樹と沙樹〜
 双子の妹が懲罰で全裸生活をすることに。ところが妹は懲りるどころか…。性的に爛れている学園で全裸懲罰は単なるご褒美ではないかという懸念を実際にやった話(苦笑)。教卓でくぱぁするわ放尿するわ男子児童に舐め取ってもらうわ、さらには1人をお口で咥えながら二本挿し中出しするわとし放題。途中でおとなしい姉とイケメン君とのちょっといい話が挿入され、そのイケメン君を想いながら妹の痴態でほてった身体を夜に慰める姉、というところで次回へ。妹の淫乱ぶりに抵抗がなければ、まあいいおかずかと。8点
TWINS2 CHANGE
 イケメン君が成績優秀者のご褒美として性的奉仕を受けることに。担当は懲罰中の妹だが、妹は姉の想いを知っていて入れ替わりを提案する。優しすぎて全然奉仕させてくれないイケメン君に、姉に成り代わった妹が発破をかけて、クラスメートの面前で羞恥プレイへ。彼氏の前で開脚オナニー披露→指を入れられて絶頂→バックから挿入→立位→中出し、と展開。展開自体はともかく、迫力のあるコマ割りのおかげで使い勝手は上々。8点
TWINS3 積極的なコは変ですか?
 前回から少し積極的になった姉。妹との入れ替わり生活を自ら続行するが…。体育の授業では男子に視姦されぶっかけられ(授業中に?)、音楽の授業ではお股でリコーダーを吹き(ついでに男子のリコーダーも)、調理実習では女体盛りになり(マンゴーがうるし科の植物という知識も手に入るぞ!(笑))、最後は美術のヌードデッサンで(双子が毎時間入れ替わってたことを明かした上で)貝合わせからのW放尿…って挿入は?(汗) シリーズ最終話にしては盛り上がりに欠けたというか、着地点を間違えたような印象。6点
入れてみてみる?
 「入れよーとはしてたケド」の続き。お兄ちゃんと2人きりでのクリスマスパーティにご満悦の妹。お酒のせいか、兄としたくなった妹は…。ベッドに運んでもらった内気な妹が、あの手この手で兄を誘惑…するが、実はHな気分になったのは兄が仕込んだ薬のせいで、その後はニーソだけ残して正常位挿入→中出し→後背位→座位中出し。12頁かつシンプルな話ながらも、起承転結が出来ていて物足りなさは少ないし、兄が何度でも出来るのは妹が仕込んだ薬のせい、というオチもきいている。まあ続編だからできる話、ということもあるけど(キャラの説明をせずにネタを盛り込める意味で)。9点

 全体的に、おかず目的として使い勝手はいいんだけどそれ以上ではない、という感じですね。元々コマを大きく使うタイプの人なので、ストーリー面での情報量が少なくなる傾向のある作風なのですが、さらに『華陵学園』という縛りが作者のポテンシャルをスポイルしてしまっている印象を受けます。縛りに合わせようとして、自網自縛になっているような。
 萌える!とか笑える!とか泣ける!とか何がなんだかわからないが凄い!といった突き抜けた要素に欠けていて、とにかく小ぢんまりとまとまってしまった、それも、特に機能しているとは言い難い制約のせいで、となると、昔から山咲作品を読んできた者としては、物足りなさと言いますか寂しさすら感じます。

#ただ、12頁じゃ足りなすぎるからといって、20頁でうまくいってるかと言うとそうでもないのがちょっと問題。

 使えればいい、と割り切れる人なら問題ないとは思うのですが、世界設定に癖があるし、ストーリーやキャラ萌えの要素は弱いので、手放しでは褒められないのも事実。
 ああ、描き下ろしの「双子W放尿ピンナップ」があるので、放尿属性のある人に(爆)。